カヌーポイントの偵察のため、家から車で1時間ほど走ったところにある名張市の青蓮寺湖(しょうれんじこ)に子供と妻を連れていった。
安全にカヌーを湖面におろせる場所を発見し、喜んでいると、孫をつれたおばちゃんに声をかけられた。
「針と糸とエサはあるから、あんたらも釣ってみやへんか?」
さっきから娘が「釣りしたい釣りしたい」といっていたので、これはありがたい誘いだと感謝するが、肝心の竿がないのである。
「なーに、竿なんかいらへん、いらへん、このへんに落ちとる枝でええんよ」
おばちゃんは枝に糸をくくりつけ、ミミズをぶちりと指できって針にかけて娘に手渡す。
豪快なおばちゃんである。
「ミミズなんて触れなーい、いやーん」などといっている輩がサルシカ隊にも存在するが、このおばちゃんを見習わなければいかんのだ。いっそサルシカ隊のコーチとしてお招きしようかと思った。
ところで釣りである。落ちていた枝の竿であるが、ブルーギルが入れ食いであった。完全な外道であるが、次々に連れるので面白い。
おばちゃんは釣ったギルをどんどんバケツに放り込んでいるので、どうするのかと思ったら、フライにして食べるのだという。
すごいおばちゃんもいたもんである。
サルシカ隊、完敗である。